40代の後半、ちょうど3月も初旬のある日..「脳梗塞」を発症しました。
昼ご飯を食べてから 午後の仕事にとりかかって間もなくのころだったと思います..
「脳梗塞」なんて病気、70代や80代のもっと高齢の方がなる病気だと自分では認識していました。おそらくひと昔まえであれば、その認識は正しかったのだと思います。
しかし、その発症年齢は次第に若年化しているようにも感じられます..(増加傾向にある「がん」同様に、医療技術の発達が謳われる昨今、とてもおかしな現象だと思うのですが..)
発症当時のわたしは、ネット上の同じ病気で苦しむ方々のブログ等から 精神的にとても救われ、たくさんの知識を得た経験があります。
現在でも 片足を引きずり、同じ側の腕や手を内側に折りこむようなかたちで不自由そうに歩いておられる中年の方を見ることがあったりします。(脳梗塞発症後に後遺症として残る、片麻痺の典型的な歩き方.. )
不幸にも「脳梗塞」や「脳内出血」といった脳卒中を発症してしまった方々のために、わたしの経験したものが 少しでもその後の回復の糧になれば.. との思いから 今回の記事を書くことにしました。
わたしが、病院での回復期にネット上の様々な情報から助けてもらったように..
先ずは それまでの経緯と、後遺症として残ってしまった「片麻痺」のことも含め、時系列で書いてみようと思います。
注)片麻痺:脳卒中(脳梗塞・脳内出血)により脳の一部がダメージを受け、その部位が担っていた機能が失われ、からだの半分が麻痺してしまうこと
先ずは発症当時のことを..
午後から自室において作業中、軽いめまいを感じて椅子に座りこみました。
「しばらく休憩したら治るやろ..」 そう思い、しばらくじっとしていました。そして背伸びでもしようと、なにげに腕をあげたとき 片腕に今までになかった違和感を感じます..
「あれっ..???」
このとき、心のどこかで「あ、ヤバい!」.. 一瞬浮かんだ感情を打ち消して、しばらく横になって休みました。(今になって思えばコレが良くなかった^^; すぐに救急車を呼ぶべきでしたね.. )
それから30分ほどして、水を飲みに階段を下りる最中..
「足が.. 変?」
力は入るものの、片足の感覚が明らかに普段とは違っていました..(@_@;)
残りの仕事が少しあったので.. 何だかおかしいと思いながらも仕事を続けます。
その後、近くで働いている妻と いつもお世話になっているかかりつけの病院(担当医)に電話.. 事情を話すと、すぐに近くの大きな病院に行った方がいいとのこと!
戻ってきた妻の運転で自家用車で近くの大学病院へ急行します。その時点までは、少しの違和感のみで.. まだ大きな症状の変化は表れていません (・_・)
診察の段階では、なんとなく片側の手足に違和感を感じるのみで 力は普通に入ることを確認。担当医もたいしたことはない感じで対応してくれていました。
しかし、念のため MRI(画像診断検査)をとってみましょうというこで検査を受けることに..
結果、「脳梗塞」緊急入院!
入院が決まって、間もなく点滴治療が開始..
ポイント
簡単に説明すると、点滴による薬剤により脳内の細い血管に詰まった血栓等を溶かします。したがって、発症からこの点滴治療開始までのスピードが大事となるようです。
遅れてしまうと、わたしのように詰まった先の脳細胞が壊死してしまい、そこを担う機能がなくなってしまうのです..
病院の食堂は既に閉まっていて、晩ごはんを食べていなかったわたしは、妻に弁当を頼みます。(近くのスーパーで弁当を買ってきてもらいました)不安な病室で妻と二人.. 晩ごはんを食べたのでした(・_・)
このときはまだ腕や手に力が入り、不自由さはあまり感じていません..
入った病棟はいわゆる集中治療室..
妻も帰り、寝る段になって.. あることにはじめて気づきます。ここの患者はいわゆる「予断を許さない患者たち」..
みな心拍や血圧などを読み取る装置につながれていました! 少しでも基準値を超えると警告音が、けたたましく鳴り響くのです..(+_+)
警告音は10分から15分おきくらいに鳴り響き.. その夜は先行きの不安と異常な騒音に悩まされる、まさに地獄のような一夜でした (@_@;)
(そしてその間も..わたしのからだには、すこしづつ症状の変化が表れていくのでした..)
翌朝(-_-)
朝方近く、なんとか眠れたようで.. 目が覚めたときにはいくらか眠った感がありました。
ところが..
なかなか寝付けずいた最中、ある程度自覚はあったのですが.. 左手の感覚が徐々に薄れていくのがじぶんでもわかっていました(・_・)
そして翌朝.. 左手首から下は完全に動かず..@_@;
左脚も昨晩以上にチカラが入らなくなっており、歩けるかどうか不安な状態.. また、顔の左側口元あたりが、なんだかしびれた感じ。
まるで歯医者で麻酔をかけられた後のようでした。(..なので少しろれつがまわらず、しゃべりにくい..)
治療を開始してから症状が悪化しているって.. どういうこと??? 率直にそう感じたのです!
不安に思ったわたしは、すぐ担当医に聞いてみました.. すると。
「現在、点滴治療で詰まった箇所を溶かし、押し流しているが.. 詰まった箇所から先の部分(脳細胞)は壊死する」
「壊死せずに仮死状態の部分は、徐々に機能回復してくるだろうし.. 壊死した部分が担っていた機能は他の部分が補うようになる」
そのような説明があり「時間は多少かかるが、今のままの状態がこの先もずっと続くわけではない.. 」
この言葉で少し安心したのでした(-_-)
幸いにもわたしの場合は、肩から腕にかけての後遺症は少なく 多少力は弱まっているものの.. 腕をあげることができ、指先も含めて皮膚感覚は完全にありました。
また、支えがあればゆっくりと歩くことも可能だったので、看護師さんに付き添ってもらいトイレにいくことも可能でした。
こんな状態でも比較的.. 軽症だったのです。
そして現在。
約2年間のリハビリと自己訓練のおかげで、若干の力不足を除き、ほぼ不自由なく生活できるようになりました^^
参考
過去記事で発症初期の時期(左手がまったく動かない状態)に行っていた鏡を使った自己訓練について書いてます!
世界をも変えてしまう? 実はそんなスゴいパワーを秘めたツールなのでは.. あなどるなかれ!「鏡」の”チカラ” 続きを見る
読書の楽しみを教えてくれたミラーマンの時間と鏡のチカラ!? 当ブログ100記事目の軌跡 - 昭和40年代に生まれて
脳卒中の後遺症としての「片麻痺」..
この症状に関して、定説のように言われていることがあります。
それは..
脳卒中(脳梗塞・脳出血)の後遺症の麻痺の回復期間は、4~6ヶ月程とされる。(特に3ヶ月目くらいまでは急速に回復)
しかし、その後徐々に回復のスピードは鈍くなり、半年から1年くらいで ほぼ状態は固定化する。
わたしの場合、発症から1年を過ぎてからも十分に回復の進捗が確認できましたし、現在でも日々の生活で使えば使うほど.. その自由度は増しているように感じます。
むかしとあきらかに違うこと..
それは、あの時のように自由に気持ちよくギターを弾き倒せないこと!
今はなかなか忙しく、練習時間もとれませんがいつの日かきっと..
そして現在、この病気で不安になり苦しんでいる方々へ、あなたがあきらめない限りカラダはもとの状態に戻ろうと全力を尽くします。
だから、決してあきらめないでください!
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